ユーザー プロファイルの場所を変更した

Windows Vista において,ユーザー プロファイルの場所を変更したときのお話.

ユーザー プロファイルとは

ユーザー プロファイルとは、コンピューターを自分の思いどおりに表示および動作させるための設定の集まりです。ユーザー プロファイルには、デスクトップの背景、スクリーン セーバー、ポインター、サウンド、およびその他の機能の設定が含まれています。ユーザー プロファイルを使用すると、Windows にログオンしたときには必ず、自分の個人用の設定が使用されるようになります。

ユーザー プロファイルとは
場所

Windows XP 以前の既定値は %SystemDrive%:\Documents and Settings だったが Windows Vista からは %SystemDrive%:\Users へと変更された*1

ほほう それでそれで?

上述したように Windows Vista から場所が変更されたが,既定では保存されるパーティションは Windows XP から変わらずブート パーティション*2のままになっている.個人用データは別のディスクに保存したかったこともあり,変更することにした*3

設定

Windows Vista インストール時,またはインストール後に場所を変更*4する方法があるが,今回は前者で茶を濁す.この場合,変更には応答ファイルを用いる.

応答ファイルとは

Windows セットアップが作業時に使用する設定を記述したファイルのこと.

"応答ファイル" とは、Windows セットアップ中に使用する設定の定義と値が入った XML ベースのファイルのことです。応答ファイルには、ディスクの分割方法、インストールする Windows イメージの場所、適用するプロダクトキーなど、さまざまなセットアップ オプションを指定します。

応答ファイルとは

Windows Vista からファイル形式が変更され、Windows XP 以前で使用されていた応答ファイルは使えなくなった.

作成する

応答ファイルは Windows 自動インストール キット (Windows AIK) を用いて作成する.Windows AIK 自体はダウンロード センターからイメージ ファイルを入手できる.

ちなみに Windows AIK とは…

Windows 自動インストール キット (Windows AIK) は、Windows オペレーティング システムの構成と展開に役立つツールとドキュメントをまとめたものです。

Windows 自動インストール キット (Windows AIK) ユーザーズ ガイド

それと作成手順.

  1. 技術者用コンピュータのローカル DVD-ROM ドライブに Windows Vista 製品 DVD を挿入します。
  2. DVD-ROM ドライブの \Sources ディレクトリに移動します。Install.wim を製品 DVD から技術者用コンピュータ上の場所 (C:\Vista_Installation など) にコピーします。
  3. [スタート]、[すべてのプログラム]、[Microsoft Windows AIK]、[Windows システム イメージ マネージャ] の順にクリックして Windows SIM を開きます。
  4. [ファイル] メニューの [Windows イメージの選択] をクリックします。
  5. install.wim を保存した場所に移動し、[開く] をクリックします。*5
  6. [イメージの選択] で、適切なバージョンの Windows Vista を選択し、[OK] をクリックします。
  7. [ファイル] メニューの [新しい応答ファイル] をクリックします。カタログが存在しないというメッセージが表示されたら、[OK] をクリックして新しく作成します。
Windows Vista 展開手順ガイド
編集する

応答ファイルを編集し,ユーザー プロファイルの場所を指定する.

ユーザー プロファイルの場所はコンポーネント中の Microsoft-Windows-Shell-Setup\FolderLocations\ProfilesDirectory プロパティに文字列値を指定することで設定できる*6

D:\Users

応答ファイルのリファレンス

インストール

Windows Vista Service Pack 1 以降では,リムーバブル メディアのルートに Autounattend.xml と名付けて応答ファイルを置くと Windows セットアップが自動で読み込む*7…のだが,当時はファイル名を間違えていたため読み込まれなかった.そのため明示的に応答ファイルを使うよう指定していた.

DVD から Windows セットアップを起動し [コンピュータを修復する] を選択すると,コマンド プロンプトを起動することができる.

応答ファイルを使用する場合は,セットアップに /unattend パラメータを渡して指定する.パラメータの一覧/? パラメータを指定すると表示される.

setup.exe /unattend:A:\unattend.xml

まとめ

というわけで,作成した応答ファイルの一例

謝辞

こちらでは Windows セットアップによって変更されなかったジャンクションのパスを修正している.すばらしいことに,そのバッチ ファイルも公開されている.ありがとうございます.
Fix user profile junction tool

*1:[http://support.microsoft.com/kb/959753/:title=Windows Vista、Windows Server 2008、Windows XP、または Windows Server 2003 のイメージを準備する際に、デフォルトのローカル ユーザー プロファイルをカスタマイズする方法]

*2:[http://windows.microsoft.com/ja-JP/windows7/What-are-system-partitions-and-boot-partitions:title=システム パーティションとブート ボリュームとは]

*3:Windows を再インストールするときにバックアップする手順を省ける…が 7 ではライブラリを使うことで,この記事の手順はほぼ要らなくなった

*4:[http://www.center-left.com/blog/archives/2006/10/windows_vistausers.html:title=レジストリを編集]

*5:読み取り専用属性が設定されていると変更を促される

*6:[http://technet.microsoft.com/ja-jp/library/cc722177(WS.10).aspx:title=ProfilesDirectory]

*7:[http://technet.microsoft.com/ja-jp/library/cc749415%28WS.10%29.aspx:title=Windows セットアップの実行方法]